回顧
あれは世が今よりは安寧だった時、1ドルは確か107,8円くらいだった頃のことです。例によって深夜特急を追う旅の途中、イランはイスファファンのイマーム広場にて一人の現地人男性が英語で話しかけて来ました。その問わず語りによりますと、自分は以前は東京でエンジニアとして活躍していた、しかしトランプ政権の陥穽に落ち職も財産も失い、一敗地に塗れ故郷に帰ってきたものである、日本人が懐かしいあの頃は良かった、ついては10ドルくれないだろうか。反射的に言う通りにしてしまったのですが、なぜわざわざ英語で話しかけてきたのでありましょうか。その他さまざまなつっこみどころ満載の独白でしたが今となっては通りすがりの良き思い出です。なお、追加であと10ドルとお願いされましたがそれはお断りしました。